LINE APPULE


 

 


雨が少し滴るお昼すぎ。

アスランは食後にアップルティーを入れていた。

優しい雨音を聞きながら、ほんのり甘い香りが部屋を包み込む。



「わぁ・・・!」

雨音をかき消さない、ほどよい声音が響いてきた。

「どうしたんだ?」

まさか雨がキレイだ、外へ出たいとか言いだすんじゃないだろうなと思いながらアップルティーをキラに手渡す。



「マリューさんとムウさん、結婚するんだって」

「へぇ、そうか。それはめでたいな」



何かと思えば挙式の知らせ。

そうかそうかと頷きながらアップルティーを啜ろうとすると、



「・・・・・・なんか、反応薄いね」

「え??」



そんなこと言ったって。

あの2人なら結婚するのは当たり前だと思うだろう。

しかしキラはわからないといったような顔をしてこちらを睨んでいる。



「・・・・・・キーラ。」

「何?」

少し不機嫌になってしまったようだ。

せっかく入れたアップルティーが冷めてしまうだろうと促し、

「マリューさんとムウさんはずっと愛し合っていただろ?なら結婚するのは驚くことでもないと思うけど?」

「あ・・・・・・そっか!」



やっぱりキラは、どっか抜けている。

暖かいアップルティーを喉に流し込み、幸せそうに顔が綻ぶのを見つめる。



「じゃあさ、キラは俺のこと好き?」

キラはえっ、と目を見開いてこちらを凝視した。

しばらくその視線を受け止めていると、キラから目をそらして、



「きらい・・・」



と一言こぼした。

「アスランなんか、嫌いだよ・・・。」

少しいたずらっぽい笑みを浮かべて、ハッキリ言う。



さすがにそう言われるとショックなようで、アスランはへこたれてた。



その様子にキラは満足したようで、アスランに抱きついた。

「キっ、キラ??」

言葉と行動のギャップに、アスランは慌てる。



しかも普段、アスランのスキンシップも嫌がるキラがだから余計に動揺してしまう。

 



「でも、すごく愛してるんだ」



「・・・・・・キ、ラ」

「すごく。すごく愛してるよ、誰よりも」

 



先程よりも力の込められた腕は、とても暖かく優しい。

 

 



太陽が顔を覗かせはじめてきた。

雨が太陽の光を反射して、部屋は水玉光とアップルティーの香りが残っていた。

 

 

 

                              2006.7.26

 

 

 

 

あとがき(反転)
     
甘〜〜〜〜〜い。
     今まで色んな話考えてきたけれども、コレが一番甘いかも。
     初小説ではないけれど、初UPなので。。。
     こんな駄話ばかりですけど、どうぞよろしくお願いします。