チカラ
アンタが嫌いだ。
「何してるの?」
「…………別に」
そっけなく返事をかえす。
何もしてないのだから、答えようもないのだけれども。
怪訝にこっちを見ている。
あぁ、このアメジストが大嫌いだ。
まるですべてを見透かしているかのように、おれを見る。
人と話すときは相手の目を見るものだ。
なんて言われて育った覚えはある。
けどコイツは例外だ。
「いつまでそこにいるの?」
「…………別に」
あぁ、うっとうしい。
早くこの部屋から出ていってくれ。
おれの赤い目はお前を映さない。
違う、映せない。
「ねえ」
のぞきこんだ、アメジストが―。
「見んなよ!!」
ダメだ、コイツは何言っても怯まない。
強い目して言い返すんだ。
「なんで?」
なんで―――って。
決まってるだろ。
「アンタが嫌いだからだ」
アンタを汚したくないからだ―――
ただ、アンタを見るチカラが欲しかった。
2007.12.02
あとがき(反転)
お久しぶりでございます。
しかも短編です、短短・・・・・・・・短編です。
あわわわわ、申し訳ない。。。
ということで内容は意味ぷ(^ω^)
でもシンは普通に大人だと思います。
しっかり自分で意志表現できますもんね。
でもだからこそ、怖いものが多い。